ガネーシャが出来るまで 【KESHIN.2 – ガネーシャ】 [アート仮装]
以前、横浜の「象の鼻テラス」という場所で、TOKONEというとてもエッジーなアートタイツブランドをプロデュースしている友人の菅井葉月さん企画のアートイベントがあり、イラストレータの友人らと参加しました。
何に変身しようかと考えを巡らした末、「象といえばインドの神様、ガネーシャだ!」ということで、ガネーシャをお題にKESHINプロジェクトに挑戦しました。
ウレタンフォームのシートから、
象の頭を作ります。
頭に乗せて、大きさや印象を確かめます。
色を塗ります。
フラフープをもとに作った光輪と合わせてみます。
頭にかぶせる部分はダイソーで購入のザル、百五十円也。
ガネーシャは手が4本あるので、手をウレタンフォームで作ります。
なかなか優雅な形になったなと思っていたら…
塗料を塗ってちょっと膨れてしまいました。でも、鋳造感が出ました。
合わせる服やアクセサリーも準備。
作った花や斧を持たせた手を、光輪に合わせます。
背中に背負えるようにバランスを考えて組み立てます。少し人間っぽくて不気味。
光輪と同化してしまうため、結局ゴールドフェイスにはしなかったもの、沖縄の知人のメークアップアーチストさんに、塗り方を御指南いただく。MACの金粉とメークアップベースを混ぜたものだったのですが、すごい金属臭でした。。
はい、完成!
小道具の団子状の食べ物の上に乗っているネズミにも、金のチョッキを着せました。
敷地内や館内を、素敵な楽しい一行と練り歩き、
ろくろを回したり、
友と語らったり。
TOKONEのイメージキャラ、志茂田景樹さんもこの日いらっしゃいました。
これを今度いつもVRでお世話になっている会社さんに3Dスキャンしていただいて、3Dデータにしようと考えています。
笑われることの快感 【KESHIN – ガネーシャ1】 [アート仮装]
心の強化にとても有効だったことがあります。何人かの方は実際にご覧になっている、私のアート仮装プロジェクト「KESHIN」です。
これまでに何度かやってきて、主に色々な国の神様をベースとしたオリジナルのキャラクターになることが多いのですが、これには二つの効用がありました。
これまでに何度かやってきて、主に色々な国の神様をベースとしたオリジナルのキャラクターになることが多いのですが、これには二つの効用がありました。
2年半前、象の神様ガネーシャになりました。撮影は、友人の映画監督の佐々木誠さんです。
地面に寝っ転がって撮影してくれたら、横浜の港湾にいたのに、この世のものでない感…!さすがです。
1、笑われることの快感
以前の私は、人と比較され「もっともっと」と現状の自分であることを叱責されて育ったので、失敗することや人に笑われて恥をかくことを極度に恐れていました。
その結果、「人からどう見られるか」が行動の指針となってしまい、それにがんじがらめになって窒息しかけていました。
何かをやってみようと思うことがあっても「きっとみんなから嘲笑される」と思い込んで、一歩も動けなくなっていました。
しかし、ひょんなきっかけからこのKESHINプロジェクトを始めることになり、それが怖くなくなり、むしろ、笑われることを楽しめるようになりました。
このような格好で人前に出ると、最初はドン引きされます。最も恐れていた嘲笑の瞬間です。
しかし、そのうち「馬鹿だなあ!でもいいね!」と大笑いしてくださるようになり、最後には「次は一緒にやらせて!」とこちらの側にきてくださる方が出てきます。
笑われることは全く恐ろしいことではなく、そしてこの姿を見て楽しんでくださる方もいる、ということは私にとって大きな発見でした。
「こんな馬鹿なことを恥じらわず出来るようになるよ」、そう過去の自分に教えてあげたい、と思っています。
しかし、この試みは、全力でやりきらないと中途半端では格好が悪くなってしまうので、とことん馬鹿になりきって完璧にやりきるようにしています。
KESHINがこのような形になったのは、思春期にいたブラジルで、サンバの非日常の「ハレ」パワーに圧倒されたことも大きな原因でした。
壮大なギャグのような巨大な山車の上で、ギラギラ光るものを身にまとって踊り狂う半裸の人々。
その頃は「あんなに振り切れられて羨ましいなあ」としか思えなかったのですが、ようやくそこに近づけたような気がしています。
2、マイナスの思考に囚われていた自分から離れる
お面や道具などをつけ、化粧をすると、完全に自分ではなくなります。
もともと、別人のように変身できる化粧が大好きだったのですが、このKESHINプロジェクトはその全身版でもあります。
KESHINのモチーフとしては、既存のキャラクターではなく、神話の登場人物だったり霊的な存在を自分なりに解釈するのですが、それになりきれたときには達成感と不思議な快感に包まれます。
もともと祖母が家で教えていた能を聞いて育ち、霊界と現世を行き来するという感覚が自分の中にあったので、霊的なものを選びがちなのだと思っていますが、なりきっている瞬間は、自分であることを忘れて別の存在になれるのです。
これは、ある意味瞑想のように、「ネガティブな思考に囚われている頭のスイッチを、一旦オフにする」ということにもつながりました。
このように、このKESHINプロジェクトは、私にとってかなりの効用がありました。
人からの評価でがんじがらめになっている子供や大人の「心の解放」にとても効果的なのではないかと思えるので、今後はワークショップなどもやってゆこうと考えています。
次回は、ガネーシャの制作過程をご紹介いたします。