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人を幸せにする技術 [VR]

先日、「ゴジラナイト」というイベントを体験してきました。

日比谷に上陸したゴジラを迎撃!

仮想空間と現実空間を融合するデバイス、マイクロソフト社のHoloLens(ホロレンズ)を頭に装着し、日比谷の街を襲いにきたゴジラを仲間と一緒に迎撃するというアトラクション。

日比谷シャンテ前の広場「ゴジラスクエア」に、映画『シン・ゴジラ』に出てくる自衛隊テントのような大きな特設ステージができていて、参加者は襲ってくるゴジラに恐れおののく様子を下記写真のように観客に晒すことに。

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自衛隊員役の俳優さん(後列)が臨場感を半端なくもりあげてくれます!

140名の限定で抽選倍率はとても高かったそうなのですが、マイクロソフト社員のキリストダンナの関係者枠で急遽体験させていただけることになりました。

HoloLensは、向こうが透けてみえるレンズ部分にホログラム映像が投影されていて、バーチャル空間とリアル空間が融合してみえる仕組み。

本物のビルの影からノッシノッシと現れたヴァーチャルな巨大ゴジラは、映画の通り118.5メートルで、これが放射火炎をビビビビーと発すると、こちらが焼き殺されそうな臨場感です。


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HoloLensを装着すると、こんな風にみえます([コピーライト] TOHO CO., LTD.)

2部に分けられた30分でしたが、ワーワーと騒いでいるうちにあっという間に終わってしまいました。体感5分。面白かった…!


風景を再現するだけの技術の大きな効果

しかし体験後に、このアトラクションの仕掛け人の一人、エバンジェリスト高橋忍さんと雑談をさせていただき、そこで彼が話されたある試みに私は新鮮な感動を受けました。


あるとき思い立って、震災前の陸前高田の街をバーチャル空間に再現し、住民たちに体験してもらったとのこと。

高齢者の方々の没入ぶりは特に印象的だったそうで、すぐにテクノロジーに慣れ、ヴァーチャルな昔の街並みを一人で無言で歩き回ったり、友人と「ほら、あれは○○さんのお店よ!」などと何時間も夢中になっていたとのこと。


私も幼少期に住んでいた大好きなブラジルの街並みや風景を今でもよく夢で見るのですが、四年前に四半世紀ぶりに再訪したときには、懐かしい風景の中を進む一歩一歩に涙が出るほど感動したものです。

まして、陸前高田の場合、そこに現れたのは、津波によって失われた街。どれだけの想いが湧き上がってきたことでしょう。


ヴァーチャルリアリティはまだ人をびっくりさせたりするような使われ方が多いイメージですが、こうして風景を再現するだけでこんなに効果があるということに、改めて新鮮な驚きを感じました。


たしかに、昨年マレーシアでヴァーチャルリアリティ作品の展示をしたときには、車椅子の女の子が体験しに来てくれて、「I can fly!」と大喜びをしてくれました。

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ヴァーチャルの世界では、重力からも、動かない足からも解放される。

人を幸せにするテクノロジーがある。


最近ヴァーチャルの世界から少し離れてしまっていたのですが、この面白さを強烈に思い出させていただいたので、アナログ表現者の自分なりのアプローチでまた取り組んでみようと思います。


ゴジラナイトの詳細は、仕掛け人の高橋忍さんのブログに。ゴジラの登場シーンの映像は必見です。

高橋 忍のブログ「ゴジラ・ナイト解説」https://blogs.msdn.microsoft.com/shintak/2018/05/27/godzillanights/

#ゴジラナイト



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終活をさかなに [出会い]

先日、シュウカツについて語り合うという、とても素敵な飲み会にお誘いいただいて参加してきました。シュウカツはシュウカツでも、「就活」じゃなく、人生の幕引きを考える「終活」です。

克服はしたものの自殺願望と長年生きてきて、肉親の中で一番年下で最期は一人で終わりを迎えることになりそうな私は、もともと終活にとても興味がありました。


まだ死ねない

メンバーは、驚くほど多種多様な業種、職種の方々。生前葬を予定されている方、時々好きなコスプレで遺影を撮られている方(先日はマリーアントワネットになったそう)、味気ない骨壷は私らしくないとオリジナル骨壷をプロデュースされている方も。

でも全員に共通していたのは、それぞれ自分の人生の幕引きをどうするかということを真剣に考えられていたこと。

お互いの考えを交換しながら、同席された宇宙葬(下部に説明有)や海洋散骨(同)のプロのお話を聞きました。

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日常生活の中では、このように死を話題にするのは「重い」と避けられがちですが、この飲み会ではそのような目を気にすることもなく心を割って話せたのも、とても嬉しいことでした。

また、以前から仲良しだった方が実は命の危機に瀕したことがあり、その時から「絶対にまだ死にたくない」「この世に生きた自分の記録をできるだけ残したい」という想いでお仕事をされていたことも初めて知りました。予想だにしていなかったので衝撃でした。

私自身も自殺願望と共に生きてきたサバイバーだったとはいえ、実際にそのようなリアルな臨死状態になったことはありません。

でも、きっと私もその状態になったら、同じように「絶対に死にたくない」と思うだろうと感じています。そしてそう「生に執着できる」ことは長年の憧れであり、最近はだんだんそうなれつつあるのですが、それを改めて気が付かせてくださったことに感謝の思いでした。


ADHDの仕事論

15人ほどの参加者のうち、私を含めた3人がADHDだったことも嬉しい驚きでした。しかも他にも何人かお仲間の匂いがする方も…

私が以前ADHDと診断されたときに「自分もだよ。大丈夫」と言ってくださったのは、私が尊敬する方ばかりでした。

しかし、メディアの記事はADHDの人がいかに不器用で世の中からはじかれているのかというものがほとんど。確かに人の不幸は蜜の味ですし、実際世の中の「普通」に合わせることができなくて苦労することが多いのは紛れもない事実です。

でも起業家にADHDは驚くほど多いと言われていますし、同席したお二人も、会社員生活が合わなすぎたから自分で仕事を作ってしまったなど、自分の才能を生かす方法を見つけられていました。


普通に暮らしていると、ADHDの人は自分の短所に目が向きがちで、「いかに今ある仕事に自分をアジャストしていくか」に意識が集中しがちです。

しかし、「いかに自分の特性にあった仕事を見つけるか、もしくは作り出すか」という真逆のアプローチの思考こそが必要なのだと感じます。それさえ見つければ、あとはお得意の「過集中」がうまくやってくれる。

この飲み会に参加されている方々は、素敵なアイデアをワクワクしながら形にされていて、

この世にはこんなに色んな仕事があった!
こんなことを仕事にしちゃっていいんだ!


と自分の視野がいかに狭くなっていたのか気がつくことも出来ました。

私はアルコールアレルギーでお酒が一滴も飲めない下戸ですが、終活というお題を通じてたくさん学びたくさん考えた、実り多すぎる飲み会でした。

自分の最期の理想のイメージは、アート仮装「keshin」をして撮影した遺影を準備し、太陽の光を浴びて緑をみながら死に、一部の骨は海に撒いて、一部は宇宙に、かな。そのあとは適当に世界をゆるゆると漂えたら、こんな幸せなことはありません。。

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ちなみに今回お声がけくださったのは、パティシエでWeb制作会社社長の小島和美さん。まさに自分で仕事を作ることを体現された方。人生が超オリジナル!!
https://retty.news/35225/

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【宇宙葬とは】
1人1グラム分の遺灰をカプセルにいれ、人工衛星に乗せて打ち上げる元NASAエンジニアが発案した葬儀サービス。2、3年地球を周回したあとは、大気圏に突入し流れ星に。専用アプリで人工衛星の現在地を確認でき、人工衛星の視点で地球を見ることもできる。松本零士さんも申し込み済。30万円也、意外に安い。

月面に遺灰カプセルを置いてくるパターンもあり、月を見上げるたび「あそこにおばあちゃんが眠っているんだよ」などと思い出すこともできる。

宇宙は地上350km。東京から大阪に行くより近いそうな!
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20131018/254729/
https://www.facebook.com/elysiumspace/


【海洋散骨とは】
船舶やヘリコプター、セスナなどで遺灰を沖合の海洋に散布する方法。
https://blueoceanceremony.jp/
エンディングに関する相談もできるカフェも。
https://www.facebook.com/BOceanCafe/ 


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薬をやめました。 [ADHD]

ADHDと診断されてから、何がどう改善するのか知りたくて2ヶ月半ほど薬を飲みましたが、あまり効果が感じられず、体の不調ばかりが続くので、先日やめました。

私が飲んでいたのは「ストラテラ」という薬。ぎょっとする青さです。
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飲みきれなかった最後の一錠。記念にとっておこう。

もともと次に「コンサータ」という、より覚醒度合いの強い薬に変える予定だったのですが、そもそも普段から薬を飲むのが気分的にも物理的にも(むせる!)超苦手な人間で、お医者さんからも「日常生活で困っていることがなければ薬は必要ない」と言われてもいたため、これを機にやめることにしました。

薬のよかった点、よくなかった点

人によって薬を飲んだときの反応は様々なようで、劇的に改善した!という人も多くいるようですが、残念ながら私にはあいませんでした。

私も服用前にはネットでいろいろな人の体験記を読んで参考にしたので、自分の場合ということで残しておこうと思います。

・よかった点
目覚めが良くなった。
体が少し軽くなったように感じ、動きやすくなった

・よくなかった点
お通じが最悪になり、肌が荒れた
常に吐き気を感じる
生理不順になった
集中力改善には変化なし
薬価が高い!(診療費と合わせると毎月1万円ほど)

特に目覚めの良さは素晴らしいものがありました。服用前は、起きても午後まで頭にもやがかかったようにぼんやりしていたのが、服用中は、いったん目が醒めると朝からシャキッと活動できるように。

しかしそれをさっぴいても、高いお金を払って体の不調を買っているという感覚が抜けませんでした。

薬をやめてからお通じがてきめんに回復したものの、異常なほどの体のダルさが戻ったり、朝がまったく起きられなくなりましたが、残念ながらこれが本来の私。

この状態を受け入れ、できる範囲でやっていこうという、あきらめという名の覚悟も固まりました。

基本的に自分で体験してみないと納得できない頑固な性分なので、「飲んだ方がいいのかも」という選択肢を残すことでもやもやすることも無くなったのは、成果なのかもしれません。


集中力を思い出させてくれた30年ぶりのピアノ

私が薬を飲むことで一番欲しかったのは、「集中力」でした。しかし、予想外のところで自分の中に眠っていた集中力を感じる出来事がありました。

ピアノです。

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キリストダンナがピアノ弾きなので、電子ピアノが家にあります

先日アンソニー・ホプキンスの狂気的な動画が話題になっていましたが、彼が過去の投稿で「ラプソディ・イン・ブルー」を気持ち良さそうにポロポロと弾いているのをみて、

「かっこいい!私も弾けるようになりたい!」と突然思い立ち、キリスト旦那用の電子ピアノに向かってみました。

さすがに最初から「ラプソディ~」は無謀すぎるので、まずはサティの「グノシエンヌ」を。楽譜はないので、耳を頼りにYoutubeで色々な動画を見ながら弾いてみると(便利な世の中になりました)、三日で弾けるようになりました。

ピアノは幼稚園から小学校低学年まで習っていたのですが、母のあまりの超スパルタ指導ですっかり大嫌いになり、聴くのはよくても自分とは縁がないものと長年決めつけてきましたが、体の方は基礎を覚えていたようです。

しかも、どんどん指が動くなるようになるのが嬉しくて、気がついたら4時間ほど夢中で弾いた日も。

こんなに没入したのは本当に久しぶりでした。


集中できる対象に選ばれること

集中力がないと思っていたのは、集中力が私にないのではなく、対象に集中できないからで、集中力が続く続かないという問題は、興味の対象に自分が選ばれるかということなのかもしれません。

集中できないものは、やはり「楽しい!」と思えませんし、対象に選んでもらえていない時点で、私が集中する必要はない。集中できるものだけに時間を費やした方が、人生は楽しいし有意義です。


「集中しなければ」と、頭でどうにかしようと思っていたこと自体が誤りでした。


薬で集中力を人工的に作り出そう!と試みた2ヶ月半でしたが、体に薬を拒否されてしまったので、これからは思考を逆に切り替えて、集中できるものだけにフォーカスしていこうと思います。

これもなにもしない「shouldを脱いでいく」ということにつながっていくことなのかもしれません。

いつもこれを忘れて勝手に作り出した義務感に縛られてしまう私ですが、流れに身をまかせていく、これが私なりのハッピーのあり方のようです。


相性が悪かった薬ですが、結果的にはこんな大事なことを再確認させてくれました。

ありがとう、ストラテラ。さようなら、ストラテラ。



グノシエンヌといえばこれ↓  美しい…



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