独りで立ったら自由になれた [アダルトチルドレン]
私が最近ようやく「心の自由」を手に入れられるようになった、大きな要因。それは、
他人への精神的な依存をやめたこと。
いわゆる健全な人には当たり前のことだけれど、私はこれに気がつくのに、40年近くかかった。
24歳で一人暮らしを始めて独り立ちしたつもりでいたのに、自分のグラグラな心を支えてくれるものを常に探していて、本当に独りでは立っていなかった。
世間は恐ろしいところだと、それなのに私は何もできない人間だと、そう刷り込まれていたから、自分の何もかもに自信がなくて、いつも不安に苛まれていた。
ちょうどカリスマ的な魅力の人物がいつもまわりにいたから、私は次から次に自ら取り込まれにいっては、お伺いをたてていた。
でも、
他人に人生を委ねると、
他人に振り回されることになる。
私はますます自分を失っていった。
そんなとき、キリストダンナに「最近独立できてると思ったのに、また新しいカリスマに依存しはじめてるよ」と指摘された。
同じ時期に、イベントや制作をサポートしてくれていて私が依存しかけていた友人から「奈緒ちゃんは独りでできるんだから、独りでやりなよ」とも言われた。
このまま依存し続けたらダメになるなと頭のどこかで気がついてはいたけれど、さすがにもう限界にきたんだなとわかった。
そして、独りで立って歩くことを、私はついに決めた。
本当に怖かった。
でも、独りで一歩を踏み出してみたら、
そこにあったのは、
素晴らしい自由だった!
それまでカリスマにびくびくしながら逐一お伺いをたてていたのに、もう自分の心に聞けばいいだけになった。
嫌いなものは嫌い。好きなものは好き。
やりたいことだけやる。やりたくないことはやらない。
突然、ものごとがシンプルになった。
以前、世間は一つの大きなピラミッドになっていて、その頂点には「大御所」と言われる人が君臨していて、その人が世間を動かしているのだと思っていた。
その人ににらまれたり、価値がないと思われたらもう終わり。
でもそんなものは存在していなかった。
「大御所」と言われる人はよく入れ替わるしたくさんいるし、色んな大きさや形のピラミッドが数えきれないほどあちこちにあった。
大きなピラミッドが突如崩壊したりもするし、大きなピラミッドにいた人が、小さなピラミッドを楽しそうに登っていたりする。
自分の足で歩き始めたら、そんな風景が突然見えるようになった。
40歳。一般的に言ったら気が付くのが遅かったけれど、人生を軌道修正するのには間に合った。
最近、ようやく自分が本当にやりたいことが固まった。
でもADHD的性格で、「これだ!」とひらめいても、興味の対象がどんどん移り変わっていく。
前はそんな自分の飽きっぽさに落ち込んでいたけれど、今はそんな性質もいとおしくなってきて「好奇心旺盛ですから」と開き直っている。
今は、
そのときそのときに自分のやりたいと思ったことをやるぞ、
誰に何いわれたって構うもんか、
と思う。
元来私は人と合わせられない性格で、いつもどんなところからもはみ出てしまって、それが自信を失わせる元凶になっていたけれど、合わせる必要なんかないと思ったら、気楽になった。
自分だけのピラミッドを作ってしまえ。
いや、どうせなら、
天邪鬼な私らしく上方向じゃなくて、穴を掘ってやれ。
そう考えたら、なんだか無性に楽しい。
ただそうは言っても、人に褒められたらやっぱり嬉しいし、時々は昔の癖が舞い降りてきて人目が気になったりする。
でも、今はもうハッと気がつくことができる。
暇人だった先月には、自分で存在意義を積み上げられることにも気がついた。
そして、嬉しい副産物も。
堂々と自分のやっていることを人に話せるようになったら、面白がってくれる人が出てきて、色んなことが繋がり始めた。
こうなると自信がどんどん湧いて来る。
世の中でのびのびと生きている人は、この自信増幅スパイラルの中にいたんだな。
今はカリスマに出会っても、前みたいに取り込まれない。ただただ素晴らしいと感動するだけ。
そして、こうなってから、色々なことが変わった。
少し前までは、イヤホンに大音量で音楽を流して、世界と隔絶しないと外を歩けなかった。でももう必要ない。
また、家に侵入されて必死で防戦しながら逃げ回る夢を、生まれてこのかた毎夜見ていたけれど、それもぱったり止んだ。
もう自分を守るために扉を固く閉めて隠れなくていい。
なんなら扉を開けっぱなしておいてもいい。
閉じるべきときは自分で決められる。
この変化は、独りで一歩を踏み出したことから始まった。
独りで踏み出すのは恐ろしかったけれど、そのご褒美に、素晴らしい心の自由が手に入った。
自分の主導権も取り戻した。
あなたもがんじがらめになっていたら、騙されたと思って、ぜひ独りでの一歩を。
世間は優しいところもある、なかなか楽しいところみたいですよ。
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