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亡くなった5歳の女の子のメモを読んで [アダルトチルドレン]


亡くなった5歳の女の子のメモ

日経新聞夕刊で連載されている小説


こどもの虐待はいつもどこかで繰り返されている。


最近はだいぶ昔の記憶が薄れ、
「やるせないよね」という言葉を機械的に当てはめて、
他人事のように読んでいました。


しかし、いったん彼女の心に寄り添ってみようとしたら、
途端に自分の過去の傷に引き摺り込まれました。


愛に飢えて、
安全地帯を泣きながら探していたこどもの私。




彼女の両親の行為は、
心の余裕がなくてという性質のものではなく、
痛めつけることを目的したサディスティックなもの。



私とは到底比べられないレベルだったし、
心に余裕が出て気遣いをしてくれるようになって
ただのぶっ飛んで面白い人になった母のことは、
私は今では好きになっている。



でもやはり傷跡は残っていて、
きっと完全に消えることはなく、
こうしてこれからもときどき
何かのきっかけでスイッチが入るのだろう。


その傷と折り合いを付けるだけ。




私には、
虐待されている家庭のこどもを
直接的に救うことはできません。


でもそこから生き延びたこどもや、
こどもだった人に、
できることはある。




それが、今後の私の人生の使命だと思っています。




亡くなってしまった彼女が、
どうかどうか、
安らかに眠れますように。



虐待している親御さんへ。
傷は、
こうして大人になっても残って、
苦しめ続けます。



生き延びた方。
死なないで。
手を取り合って生きていきましょう。



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