薬をやめました。 [ADHD]
ADHDと診断されてから、何がどう改善するのか知りたくて2ヶ月半ほど薬を飲みましたが、あまり効果が感じられず、体の不調ばかりが続くので、先日やめました。
私が飲んでいたのは「ストラテラ」という薬。ぎょっとする青さです。
飲みきれなかった最後の一錠。記念にとっておこう。
もともと次に「コンサータ」という、より覚醒度合いの強い薬に変える予定だったのですが、そもそも普段から薬を飲むのが気分的にも物理的にも(むせる…!)超苦手な人間で、お医者さんからも「日常生活で困っていることがなければ薬は必要ない」と言われてもいたため、これを機にやめることにしました。
薬のよかった点、よくなかった点
人によって薬を飲んだときの反応は様々なようで、劇的に改善した!という人も多くいるようですが、残念ながら私にはあいませんでした。
私も服用前にはネットでいろいろな人の体験記を読んで参考にしたので、自分の場合ということで残しておこうと思います。
・よかった点
目覚めが良くなった。
体が少し軽くなったように感じ、動きやすくなった
・よくなかった点
お通じが最悪になり、肌が荒れた
常に吐き気を感じる
生理不順になった
集中力改善には変化なし
薬価が高い!(診療費と合わせると毎月1万円ほど)
特に目覚めの良さは素晴らしいものがありました。服用前は、起きても午後まで頭にもやがかかったようにぼんやりしていたのが、服用中は、いったん目が醒めると朝からシャキッと活動できるように。
しかしそれをさっぴいても、高いお金を払って体の不調を買っているという感覚が抜けませんでした。
薬をやめてからお通じがてきめんに回復したものの、異常なほどの体のダルさが戻ったり、朝がまったく起きられなくなりましたが、残念ながらこれが本来の私。
この状態を受け入れ、できる範囲でやっていこうという、あきらめという名の覚悟も固まりました。
基本的に自分で体験してみないと納得できない頑固な性分なので、「飲んだ方がいいのかも」という選択肢を残すことでもやもやすることも無くなったのは、成果なのかもしれません。
集中力を思い出させてくれた30年ぶりのピアノ
私が薬を飲むことで一番欲しかったのは、「集中力」でした。しかし、予想外のところで自分の中に眠っていた集中力を感じる出来事がありました。
ピアノです。
キリストダンナがピアノ弾きなので、電子ピアノが家にあります
先日アンソニー・ホプキンスの狂気的な動画が話題になっていましたが、彼が過去の投稿で「ラプソディ・イン・ブルー」を気持ち良さそうにポロポロと弾いているのをみて、
「かっこいい!私も弾けるようになりたい!」と突然思い立ち、キリスト旦那用の電子ピアノに向かってみました。
さすがに最初から「ラプソディ~」は無謀すぎるので、まずはサティの「グノシエンヌ」を。楽譜はないので、耳を頼りにYoutubeで色々な動画を見ながら弾いてみると(便利な世の中になりました)、三日で弾けるようになりました。
ピアノは幼稚園から小学校低学年まで習っていたのですが、母のあまりの超スパルタ指導ですっかり大嫌いになり、聴くのはよくても自分とは縁がないものと長年決めつけてきましたが、体の方は基礎を覚えていたようです。
しかも、どんどん指が動くなるようになるのが嬉しくて、気がついたら4時間ほど夢中で弾いた日も。
こんなに没入したのは本当に久しぶりでした。
集中できる対象に選ばれること
集中力がないと思っていたのは、集中力が私にないのではなく、対象に集中できないからで、集中力が続く続かないという問題は、興味の対象に自分が選ばれるかということなのかもしれません。
集中できないものは、やはり「楽しい!」と思えませんし、対象に選んでもらえていない時点で、私が集中する必要はない。集中できるものだけに時間を費やした方が、人生は楽しいし有意義です。
「集中しなければ」と、頭でどうにかしようと思っていたこと自体が誤りでした。
薬で集中力を人工的に作り出そう!と試みた2ヶ月半でしたが、体に薬を拒否されてしまったので、これからは思考を逆に切り替えて、集中できるものだけにフォーカスしていこうと思います。
これも「なにもしない」「shouldを脱いでいく」ということにつながっていくことなのかもしれません。
いつもこれを忘れて勝手に作り出した義務感に縛られてしまう私ですが、流れに身をまかせていく、これが私なりのハッピーのあり方のようです。
相性が悪かった薬ですが、結果的にはこんな大事なことを再確認させてくれました。
ありがとう、ストラテラ。さようなら、ストラテラ。
グノシエンヌといえばこれ↓ 美しい…