感情を回復できることを教えてくれた小さくて大きな存在 [アダルトチルドレン]
昨日、やりたいことをやるぞ!と突然の宣言をしてみたのですが、それは私の感情が回復してきた結果です。長い間、私は親を怒らせないように、自分の感情を押し殺して育ちました。何かを食べても、「変な感想をいったら軽蔑されるかも」「これが美味しいのかわからない」と自分の味覚も信頼できなくなるという状態になっていました。
でも今は自分の感情に敏感です。美味しいものは美味しい、まずいものはまずい。好きなものは好き、嫌いなものは嫌い。当たり前の感覚が私には最近ようやくわかるようになりました。何故ならすぐ近くに身を持って教えてくれた存在がいたからです。
それはうちに4年間いて、私とはそのうちの2年間を一緒に暮らした犬でした。(髪型がキリストダンナにそっくりな)メスの美形のキャバリアだったのですが、最初に見たときは、顔はシワだらけで、目は眼球が外側に引っ張られて白目がち、痩せこけた足でヨロヨロと歩き、「なんだかお爺ちゃんみたいだな」とびっくりました。
というのも彼女は、悪徳ブリーダーに繁殖のために飼われ、ご飯もろくにもらえず、狭いところに糞尿まみれの多頭飼いで閉じ込められ散々子供を生まされた末に、齢をとり用済みになって保健所に送られるところを、動物愛護協会がレスキューした譲渡犬だったのです。
日常的にひどい虐待も受けていたようで、いつも八の字眉毛で悲しい目をして、私が高いところのものを取ろうと彼女の頭の上に手を伸ばしたり、傘など長い棒状のものを持つと、ビクッと体を引きつらせてブルブルと震えていました。
それでもキリストダンナが2年間必死に世話をしたおかげで、その後私が結婚して一緒に住むようになる頃には、人間にだいぶ慣れていました。ただ、最初のうちは、「変な女がやってきた!」と私を警戒し、他の人の膝には乗るのに、私には近付いてこようともしませんでした。
しかし半年ほど経った、キリストダンナが長期出張で留守にしていたある日、突然私のところに「女同士仲良くする?」という顔でやってきて、それからは急に私を受け入れてくれるようになりました。
その日から表情がとても豊かになり、常に満面の笑みを浮かべるようになりました。その頃には肉付きもだいぶよくなって顔のシワは消え、足に筋肉がつき、初めてギャロップが出来ると気が付いたときには余程嬉しかったようで、その辺をむやみに跳ね回っていました。
いつでも笑顔!
そしてその「いつでも笑顔」の時期がすぎると、今度は「ワガママ娘」期がやってきました。結局最後まで一度も歯を剥いたり唸ったりすることがなかった穏やかな犬でしたが、それでも彼女なりに精一杯反抗して、進行方向と反対に歩いてみたり、ご飯をくれと皿を叩いて抗議したり、私に意地悪をしかけてきたりもしました(本当に他愛もないことなのですが)。この頃には笑顔の頻度が少し減り、口をへの字に曲げてむっとした顔もするようになりました。
しかしこの伸び伸びと遠慮のない状態の彼女が本当に可愛かったのです。我が儘に振舞ってももう大丈夫と、私たちを信頼してくれたことも感動的でした。彼女は子供時代をやりなおして本来の姿を取り戻したようで、実際この頃には面白いように若返り、子供のような無邪気な顔になっていました。
しかしそんなある日、突然心臓を悪くして三日で呆気なく逝ってしまったのです。12歳くらいだったようで、心臓以外には何の問題もなくもう少し生きられたかもしれなかったのですが、心身が元気になった途端に旅立ってしまいました。私たちはあまりの突然のことに受け止められず1ヶ月泣き暮らし、ペットロス症候群になりました。
彼女はある意味では、私と比べ物にならないほどの壮絶な虐待を受けたサバイバーです。しかしその小さな身をもって「こんな状態からでも回復できるんだから君も頑張れ」と、私に教えてくれました。今では私たちは、我が家に一瞬立ち寄ってくれて、ミッションを完遂させて天国に帰っていった天使だったのだと信じています。
でも今は自分の感情に敏感です。美味しいものは美味しい、まずいものはまずい。好きなものは好き、嫌いなものは嫌い。当たり前の感覚が私には最近ようやくわかるようになりました。何故ならすぐ近くに身を持って教えてくれた存在がいたからです。
それはうちに4年間いて、私とはそのうちの2年間を一緒に暮らした犬でした。(髪型がキリストダンナにそっくりな)メスの美形のキャバリアだったのですが、最初に見たときは、顔はシワだらけで、目は眼球が外側に引っ張られて白目がち、痩せこけた足でヨロヨロと歩き、「なんだかお爺ちゃんみたいだな」とびっくりました。
というのも彼女は、悪徳ブリーダーに繁殖のために飼われ、ご飯もろくにもらえず、狭いところに糞尿まみれの多頭飼いで閉じ込められ散々子供を生まされた末に、齢をとり用済みになって保健所に送られるところを、動物愛護協会がレスキューした譲渡犬だったのです。
日常的にひどい虐待も受けていたようで、いつも八の字眉毛で悲しい目をして、私が高いところのものを取ろうと彼女の頭の上に手を伸ばしたり、傘など長い棒状のものを持つと、ビクッと体を引きつらせてブルブルと震えていました。
それでもキリストダンナが2年間必死に世話をしたおかげで、その後私が結婚して一緒に住むようになる頃には、人間にだいぶ慣れていました。ただ、最初のうちは、「変な女がやってきた!」と私を警戒し、他の人の膝には乗るのに、私には近付いてこようともしませんでした。
しかし半年ほど経った、キリストダンナが長期出張で留守にしていたある日、突然私のところに「女同士仲良くする?」という顔でやってきて、それからは急に私を受け入れてくれるようになりました。
その日から表情がとても豊かになり、常に満面の笑みを浮かべるようになりました。その頃には肉付きもだいぶよくなって顔のシワは消え、足に筋肉がつき、初めてギャロップが出来ると気が付いたときには余程嬉しかったようで、その辺をむやみに跳ね回っていました。
いつでも笑顔!
そしてその「いつでも笑顔」の時期がすぎると、今度は「ワガママ娘」期がやってきました。結局最後まで一度も歯を剥いたり唸ったりすることがなかった穏やかな犬でしたが、それでも彼女なりに精一杯反抗して、進行方向と反対に歩いてみたり、ご飯をくれと皿を叩いて抗議したり、私に意地悪をしかけてきたりもしました(本当に他愛もないことなのですが)。この頃には笑顔の頻度が少し減り、口をへの字に曲げてむっとした顔もするようになりました。
しかしこの伸び伸びと遠慮のない状態の彼女が本当に可愛かったのです。我が儘に振舞ってももう大丈夫と、私たちを信頼してくれたことも感動的でした。彼女は子供時代をやりなおして本来の姿を取り戻したようで、実際この頃には面白いように若返り、子供のような無邪気な顔になっていました。
しかしそんなある日、突然心臓を悪くして三日で呆気なく逝ってしまったのです。12歳くらいだったようで、心臓以外には何の問題もなくもう少し生きられたかもしれなかったのですが、心身が元気になった途端に旅立ってしまいました。私たちはあまりの突然のことに受け止められず1ヶ月泣き暮らし、ペットロス症候群になりました。
彼女はある意味では、私と比べ物にならないほどの壮絶な虐待を受けたサバイバーです。しかしその小さな身をもって「こんな状態からでも回復できるんだから君も頑張れ」と、私に教えてくれました。今では私たちは、我が家に一瞬立ち寄ってくれて、ミッションを完遂させて天国に帰っていった天使だったのだと信じています。
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