壁の穴 [アダルトチルドレン]
今回は、先日の心療内科の先生についての後日談です。
血液治療に通い始めて何ヶ月かたったある日、キリストダンナと他愛もないことで喧嘩をしました。そして彼が用事で外に出た後、一人で思い返していると怒りがふつふつ湧き出て脳が沸騰し、思わず側の壁を全力でキック!
バリバリとすごい音がしたと思ったら、そこには綺麗に足型をした穴がありました。こんなに簡単に穴が開くとは思っていなかったのですが、不幸にも私の怪力(握力が50くらいあります)と石膏ボードの薄さが相まってしまいました。
しばし呆然と穴を見つめていたのですが、我に返り慌てて壁を修復してくれる業者を探してみるも、壁紙の全面張り替えになり何十万もかかってしまうとのことで、猛烈な後悔に襲われながら頭を抱えてその場に座り込んでしまいました。目の前には、黒々と口を開けた穴。
しかし、そうしていても埒があきません。すこし頭を冷やそうと行きつけのクリーニング屋さんに洗濯物を持って行き、平静を装いながら「上から物を落としたら壁に穴があいてしまって」と話したところ、なんと「うちのダンナが工務店を経営してるから、修復に必要なセットを一式貸してあげる」とありがたすぎるお話。
そのあと車でうちにいらっしゃったクリーニング屋さんのダンナさんは、壁の穴をみて明らかに足の形だと気がついたはずですが、何も言わず丁寧に道具の使い方を教えてくださいました。
そして、ダンナさんが置いていってくださった修復手順を読みながら、板を打ち付け、石膏ボードを交換し、壁紙を張り替え、無事に穴はふさがりました。
そんないきさつを、心療内科の次回の診察の際に
「最近落ち込むことが減ったのですが、怒りがコントロールできなくなって、ついに壁に穴をあけてしまいました…」
と先生にしたところ、
「元気があって大変によろしい!!」
とまさかのお褒めの言葉をいただきました。
思わず椅子から転げ落ちそうになったのですが、
「穴をあけたのはあまりよろしくないかもしれないが、自分を攻撃しなくなったのは大進歩である!どんどんやりなさい!!」
とのことでした。壁に穴をあけて褒められるなんて前代未聞…!
自分のやらかしたことに落ち込んでいた重い気分が一瞬で吹き飛びました。素晴らしい先生です。みなさん、時々は壁に穴を開けても大丈夫なようです。でも、開けたらちゃんとふさぎましょう。
ということで、うちにいらした方は、どこかに壁紙の色の変わっている部分をご覧いただけるかもしれません。(キリスト氏、我が家の恥部を晒してごめん)
ちなみに、この間、ちょうど知人からこんなモフモフの美猫を預かっていたのですが、普段は隠れがちなその子が、私が壁をギコギコやっているのに興味を持ったのか、ずっと横で寝そべって作業を見ていました。本来なら惨めな後始末になるはずが、なんだか癒される幸せな時間になってしまいました。
恐ろしいほどの美猫ちゃんです
最後に、キリストダンナが日本アンガーマネジメント協会というところのファシリテーターをしているので、彼の名誉のためにもお断りしておかないといけませんが、最近の私はこまめにガス抜きをしているので、もう壁に穴を開けたりはしておりません。しかし、一部の人の間では、怪力な上に左利きで左ミドルキックが得意な私は「レバー打ち名人」として有名です(格闘技ネタです)。
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