親を赦す日 [アダルトチルドレン]
親には感謝をしなければいけないということはよく言われます。もちろん理解もできます。しかし、アダルトチルドレンの私たちはマイナスからのスタートを余儀なくされ、負債も背負わされてきたのですから、赦してやってもいいと思える日が来るまでは、その必要はないと私は思っています。
ただ、親を憎み続けるのはとても辛いことです。誰だって本当は親と愛情で繋がりたかったし、憎しみは結局自分を縛ります。だから、もう憎しみを手放せそうだと思えた時には、どうぞそこから自由になってください。自分のために。
昔の私は憎悪と復讐心の塊のような人間で、ノートにビッシリ「死ね」「殺す」と書き殴り、臥薪嘗胆とばかり、この感情を継続し強化させるための努力もしていました。
しかし、心の解放のための試行錯誤を続ける中で、次第に親への憎しみから、自分自身の心の建設に、意識が向くようになりました。
また、親自身のこともわかってきて、親もまたその親から大変な目にあわせられていたのだということもわかり、昔の仕打ちは赦せないながらも(これは赦さなくていいと思っています)、毒が抜けた現在の親はもう別物なのだと思えるようになりました。
そして本当に何十年も経った最近のことなのですが、あるとき私を縛っていた感情がフッと抜けて、気がつけば親を赦せるようになっていました。もはや恐怖の対象ではなくなった歳をとって少し小さくなった姿を見ると、憎しみというより憐れみや慈しみという感情まで湧いて来ます。
実は、私のこの一連のアダルトチルドレンの記事を親が見つけたら、「恥をかかせた!」と縁を切られるかもしれないとも感じています。以前は親が亡くなるまでは黙っていようと考えていたのですが、今の私がしたいのは親を糾弾することではなく、渦中にいる方に「きっと抜けられるよ」と伝えること。
体験談を伝えることで自分自身も救われますし、一人でも死ぬのをやめてみようもう少し待ってみようと思う方が出てくるなら、早い方がいい。(驚異的な長寿家系なので、亡くなるのを待っていたら何十年も後になります…!)私の人生ですから、時期は自分で決めます。
ただ、ここに至るまでに、期待はしていなかったものの、色々なやりとりを経て親も随分変わってきました。たとえ今は縁を切られたとしても、いつかきっとわかってもらえると思いたい。
まだ渦中にいらっしゃる方へ。あせらず自分のペースで、まずは自分の心を最優先にケアしてあげてください。親のことが赦せなかったら、きっと今はまだその時期ではないのです。
ただ、(まだなったことはないのですが)四十肩のように、ある日突然「あれ、抜けていた!」と思う日がきっとやってくると私は信じています。
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