ユニコーンが生まれる瞬間を見た
昨日の日経新聞の1面にこんな記事が出ていました。
「企業価値、22社が100億円超—未上場スタートアップ100社調査」
私はこのランキング6位のビズリーチで、2010年から働いている超古参バイトで、社員以外のスタッフの中では一番最初の「a0001」が、私の社員番号です。
今では社員数が700人を超え押しも押されもせぬ大企業に分類されますが、私が入った頃は創業メンバーの5人が、渋谷の古くて狭いマンションの一室にぎゅうぎゅうになりながら仕事をしていました。
今回は、私が絶望の穴から脱出できた大きなきっかけの一つでもある、このビズリーチについての話です。
今から7年前、前年の初個展と結婚式で家庭が資金難になったため、知人に「どこかでアルバイトを募集してないか」と相談しところ、「なんでもやってくれる人を急募しているスタートアップがある」と紹介してもらったのが、ビズリーチでした。
今では「スタートアップの聖地」として伝説になっている「シャレー渋谷」というマンション(老朽化で取り壊されたようです)へ面接に訪ねた時は、あまりの小ささに驚いたのですが、「これから何かが起こる」という前夜祭のような空気が満ちていて「ここだ!」と思いました。
今、ビズリーチで顧問をさせていただいているダンナも、「面白いところがあるから絶対に関わった方がいい!」とすぐさま引っ張り込みました。
この写真がビズリーチの受付スペースに貼ってあります。
中央で寝ているのが、営業から疲れ切って帰った社長の南さんです。
(写っていないのですが、これを撮ったのは私です…)
実際、毎日、次から次に資金調達や、新サービスのローンチ(先日KDDI の傘下に入ったルクサも)、イベント、記者会見と続きました。私がやるのは地道な作業ながらも、歴史の瞬間に立ち会っている!という手ごたえがありました。
しかしそれを仕掛けているのは、渋谷の片隅のまだほとんど名の知られていない会社です。社長の南さんは「世界ナンバーワンの転職サイトを作る!」「メジャーリーグの球団オーナーになる!」といつも宣言していましたが、はたからみたら「何を寝ぼけた夢物語を」と言われても仕方ありません。
実際悔しい思いもたくさんしたようですし、求人サイトで募集をかけても誰も来ず、「会社写真に女性が澤さんしか写ってないからだ」「その辺を歩いている女性をスカウトして来ます!」という、半分本気な冗談を言い合ったこともありました。
また、エンジニアの園田さんがトイレの鏡を磨くと「登録会員数が増える」というジンクス(本当にそうだったのです!)があり、会員数の伸びが悪いと、南さんやCMOの永田さんが「掃除するぞー!」と号令をかけ、みんなでモップや雑巾を持って大掃除、なんてことも大真面目にやっていました。
しかし、創業メンバー5人の夢を信じる力は着実に一つ一つを実現してゆき、途中からは2次関数の曲線のように加速していきました。
現在はCMで皆さんがご存知の会社になり、オフィス移転の物件探しで、「いつかここに入れますかねえ」「出来たらいいねえ」と永田さんと話していた渋谷クロスタワーにもあっという間に入居し、今では溢れかえる社員を格納するために増床を繰返しています。
企業価値10億ドル以上の未上場企業を「ユニコーン」、その予備軍の有力スタートアップを「NEXTユニコーン」と呼ぶとのことですが、私はこの誕生の瞬間を、DREAM COMES TRUEストーリーを、目撃しました。
南さんがよく社員に見せていた動画です。最初は単なるおかしな人ですが、最初に熱狂的な応援者がつき、最後には巨大なムーブメントになります。
「会社を興す!サービスをはじめる!」と色々な人に訴えては門前払いされ続けていた南さんの最初のフォロワーは、佐藤和男さんでした。
あとがきの謝辞に、みなさんと並んで旦那と私も入れていただいています。嬉しい…!
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